日々是好幸 

あるものを生かし、楽しく過ごす。日常にある幸せな暮らし方とヒント。

中華が好き 「沙漠之月」

タイトルの通り、中華が好きだ。

自分では気付かなかったのだが、友人と外食するとき、中華というジャンルを提案しがちなのだそうだ。

 

でも、中華は良い。

中華が嫌いな人はそうそういないし、高級でなくても美味しいお店がたくさんある。

同じ餃子でも、麻婆豆腐でも、お店によって全く違ったりしてワクワクする。

気取らない雰囲気の中で、気の知れた人達と本能のまま食べる。そんな時間も好きだ。

 

ということでマイペースに中華のお店を記録していこうと思う。

 

まずは最近から2番目に行った中華のお店。

 

池袋にある「沙漠之月」

駅から結構離れた、雑居ビルの3階にあって、

周りには何もない。まぢで砂漠だ。

体格のよい男性だったらハミ出そうな、小さい螺旋階段を登ると、文化祭とかでみたことあるような文字で「沙漠之月」と書いた黒いドア。

これぞ、ザ怪しい、である。

恐る恐る入ってみると、

たった5席のカウンター。

 

黒い革張りのシートのその奥に、ちっちゃなキッチン。

中華鍋や火力ボーボーのコンロもない。

というか、簡易コンロ…ここはスナックか?

 

唖然としていると、オーナーらしきお姉さん(の時は美人だったろうな)が画用紙を広げて何やら書いている。

「メニューのびゃんびゃん麺の字が検索で出てこないから、仕方なく書いてるのよ〜」

(ドアの前で見た店名の文字に対する疑問はあながち間違っていなかった。)

 

入って1分で不安しかないが、ここまで来てしまったのでとりあえず着席してメニューを見せてもらう。

事前予習だと、オーナーの英英(インイン)さんにより繰り広げられる、甘粛省料理や小麦料理の数々を楽しめるらしい。

甘粛省…モンゴルとかウイグルに近い内陸なのね、とはいえ専門家じゃないのでよくわからない。

「中国の敦煌という地域でカフェをやっていたのよ〜。ご飯作るのが好きだからね〜」

とのこと。

まあとにかく気になったものをいただく。

 

まずは、豚軟骨の煮物(煮卵つき)

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八角が効いているが、優しい。軟骨だから骨の周りからトロッとお肉が剥がれた。

 

こちらはセロリと葛切り、豚肉の炒め物

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葛切り…❣️と思って頼んだ

生姜とにんにく、豆鼓とか豆板醤を入れて

お肉を最初に和えているのがチラッと見えた

葛切りのモチモチとセロリのシャキシャキが

クセになる、ピリ辛でお酒が進みます。

私はちなみにお酒弱い設定なので、甘い柚子のお酒

 

餃子❣️

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水餃子もあって迷った挙句の、

「普通は水餃子だけど日本人焼き餃子好きでしょう〜、だから作ったの」

ここは本場っぽい餃子をば、と思っていたが

権力強めな同行者のご要望で焼き餃子。

その日によって具は異なるらしいが、今日は豚とセロリ。

 

インインさんここからすごい。

大きな生地の塊を手際よく切り分けて、餃子の皮を伸ばし始めた。あっという間にタネを詰めて、例のあの簡易コンロで焼いている。

その過程で、自分のムスメの愚痴を休まずに話すのもすごい。

ほおおおお、と眺めながら、なんとなく相槌を打っている間に餃子が出来上がってしまった。

タレは好きに作ってね〜。

手作りの辣油、日本の醤油、中国醤油、黒酢を並べてくれた。
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熱々のうちに食べる。

何だこの生地のモチモチなのに厚すぎず、噛んだ瞬間に肉汁が出てくる感じ。

餡も肉〜!というより野菜多めで

中のスープも甘くて、すごく軽くてパクパクいける。

タレなど工夫する間もなく、無心になって食べてしまった。

はあ、なくなってしまった。

儚い系餃子だ、しかも生地がもっちりしているのに儚いなんて、儚くてずるい系餃子だ。

 

気を取り直して麻婆豆腐。
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なんとここで、マイ・ベスト麻婆に出会ってしまった。

いや気安くマイ・ベストなんて言っちゃいけないけど、いや、私はインインさんのこの麻婆豆腐がすごく好きだ!!

山椒効いてる系の、よくあるやつねーと思っちゃいけない。

ちゃんと旨味が濃が、深い!!!

あんまり私がベラベラ喋っても、うるさいだけなんで写真で想像してください。もう。

 

どんどん無心で食べ進めていると、じわじわ辛くなってきて、

これはご飯なのでは!と思い、

食い気味に「ご飯を!」と頼む。

するとインインさんなんと、

「ご飯はないよ、うちのとこじゃ米食べる文化ないからネ〜」

 

(´༎ຶོρ༎ຶོ`)うう、

まさにこんな顔をしていたと思う。

 

そんな時、

「麺ならあるよ。裏メニューだけどね、食べる?」

食べますうううううううううう。

麻婆麺だと…!?いかない訳がない。

一度下げたところをはるかに超えてくる感じさすがだ、インインさん。

ということで、おもむろに麺(もちろんこれも自家製)を茹でて、サッと

食べ尽くさず残しておいた麻婆と絡めてくれた。 

見てください。この姿。

 

旨味が詰まった麻婆の油が麺全体に絡んで、お箸が止まらない。

麺も主張し過ぎず、それがまた良い。

するっするっとおさまってしまう(口の中に)。
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ヒイヒイ言いつつも無我夢中で、気がついたらほとんど無くなっていた。

しかし汁麺も気になって仕方がない私。

 

最後に、お願いしまあああああっす!

と意気込んで頼んだ。汁の麺(名前は失念、おい)
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具は卵とトマトだ。

麺は麺と言いつつも、生地を平たく伸ばして、ちぎったものが入っている。

ん、、、せんべい汁

謎が謎を呼ぶ中、スープを口にする。

なんと優しいお味。そうです、これはミネストローネ。

チャイニーズミネストローネですね。

トマトと卵のまろやかな風味にごま油が効いていて香ばしく、その中でもちっという

麺の食感 がなんともいえず心地よい。

途中味変で、インインさん特製の辣油を入れたり、お酢を入れると、

さらに世界が広がる。

おかげで麻婆によってヒリヒリだった口の中が、うまい具合に落ち着いた。

 

美味しい中華に出会うと、夢中を超えてトランス状態のようになる。

今日も麻婆豆腐辺りから記憶も曖昧になりながら食べていた。(ちょっとヤバい奴)

食後すごくお腹がいっぱいになるのだけど、元気が出てくる感じと、理由はわからないが謎の達成感が湧いてくる。その感覚も含めてやっぱり、私は中華が好きなのだ。

 

 

近頃、辺境中華やどこどこ地方の〜という料理が流行っているようだが、

そんな料理が食べたいあなた、本当にまあまあ辺境にはありますが「沙漠之月」おすすめします。